本号(令和7年12月号)では、山梨学院大学ホッケー部で活動している小野柊羽(しゅう)さんにインタビューしました。

小野 柊羽(しゅう) さん
Profile
インタビュー内容一覧
叔父がホッケーをやっていて、日本一のクラブチームに所属し、日本代表として活動していました。叔父の試合を見に行っている中で自然とホッケーに興味を持ち、気づいたら自分も始めていました。
ホッケーの魅力は何と言ってもスピード感だと思っています。ボールスピードの速さはホッケー特有のもので、攻守の切り替わりや一瞬で得点が動くところは、見ていてもプレーしていても楽しいです。そのスピード感があるからこそ感じる緊迫感も好きです。
それから、私のポジションはディフェンスですが、セットプレーのときはシュートを打つフリッカーという役割も担っていて、得点に絡むこともできます。私は得点を決めることが好きなので、それも良いなと思っています。
そして、何年やっても課題が見つかり向上心を持つことができ、努力のしがいがあることもホッケーの魅力だと感じています。
日本のフル代表の練習にも参加させていただいています。今までは、大学生の中であればある程度通用するところまで実力はついてきたと思っていましたが、代表カテゴリーになってくると周りのレベルが高いので、改めてスキルや知識、考え方を磨いていく必要があると感じています。
ホッケーに対する熱量がすごいところです。日の丸を背負う覚悟だと思います。日常からずっとホッケーを考えている人が多いです。食事や睡眠など、どれだけ自分の生活をホッケーに向けることができるか考えていて、本当にすごいと感じました。
また、代表の選手でお手本にしている方がいます。その方はベテランで同じディフェンスのポジションを担っています。状況を把握する能力や対応力、判断の早さなどが一流で、若い選手に負けません。本当に参考になります。
大学ではほぼ毎日練習があり、スキルアップやチーム力向上に励んでいます。チーム力向上のトレーニングとしては、試合や対人の練習をする中で選手同士話し合い、仲間を理解してもっと良い連携ができるように頑張っています。
また、今年からウェイトトレーニングに力を入れ始めていて、フィジカル負けしない体作りを意識しています。週に2~3回1時間程度トレーニングしています。

山梨学院大学ホッケー部としてプレーする小野選手
日本代表の練習は、どんどん新しいことを取り入れていきます。また、プレーやシチュエーションを言葉で的確に説明できるように、ミーティングをたくさんします。監督やコーチ、アナリストなどが話題を持ってきてとにかくディスカッションします。頭の中でしっかり理解した上でプレーに出していく、というようなチャレンジが多いと思います。
それから、今日本代表では、スプリントトレーニングを多く取り入れています。特に、急加速と急減速が重要視されていています。ホッケーでは、いかに速くダッシュできるかというような急加速の動きも大切ですが、相手の動きについていくためには、スピードがある中でしっかり止まり切ることも重要です。海外の選手と比べて日本の選手はその面で劣っているので、課題として取り組んでいます。常にGPSを身に付けて練習することによって、「どのくらい走ったか。」「加速と減速ができているか。」などがデータ化され、分析しています。
日常生活の中で興味がないことややりたくないことにチャレンジすることが大切だったと思っています。そこで嫌な経験やつらい経験もしましたが、その経験によって精神力がついてホッケーも頑張ることができました。だからこそ、子どものときからいろいろなことに好奇心を持って取り組んでいくことが大切だと思っています。
国民スポーツ大会に出場するためには、東北ブロックの大会で優勝しなければいけません。東北では岩手のイメージが強く、ほぼ毎年岩手が東北で優勝していました。だからこそ勝ちたいと思っていました。昨年については、正直勝てる未来は想像できていなかったのですが、何とか勝つことができました。今年については、私たちが王者だったので、負けられないという思いと、チーム初の2連覇を絶対達成しようという気持ち、そしてこのチームメンバーなら絶対に成し遂げられるという自信を持って大会に臨みました。
国民スポーツ大会の本戦では、昨年は2回戦で栃木県に、今年は1回戦で奈良県にというような全国の強豪チームに敗れてしまいました。やはり全国で戦うにはまだ足りないものがあると感じました。その一方で、山形県には全国の強豪大学で活躍した選手や、今後の活躍が期待される若い選手がいるので、今後さらに上を目指せると思います。
日本のフル代表の選手になって定着し、「川西町からまた日本代表が出た」と言ってもらえるように頑張りたいです。大学卒業後は、強豪クラブチームに入って技術を磨き、日本代表として活躍していきたいです。
いずれは川西町に帰り、地元のホッケーを盛り上げていきたいです。コーチとしてスキルを教えることや、強いチーム作りにチャレンジしていきたいと思っています。
Information
小野さんが所属する山梨学院大学ホッケー部の情報は、公式Instagramアカウントをご覧ください。