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Team Kawanishi vol.9 遠藤安寿香さん(令和6年町報かわにし10月号掲載)

 本号(令和6年10月号)では、農業者として活躍されている遠藤安寿香(あすか)さんに密着しました。

 

遠藤安寿香さん

 

Profile

  • 川西町東大塚在住
  • 就農して2年目。令和5年度に川西町認定女性農業者に認定。
  • きゅうりや桃などを栽培している。

 

インタビュー内容一覧

 

農業始めたきっかけを教えてください。

 元々農業には携わってはいませんでした。高校は置賜農業高校の果樹専攻で、食育を学びたいと思い、調理師学校に入り資格を取り、その方面の仕事を目指していました。しかし、仕事がハードで自分が目指しているものと離れていくと感じたので、転職しました。転職先は外仕事など力仕事などがメインの会社で、7年間在籍していました。男性に交じって力仕事を頑張っていましたが、なかなか大変で、また、毎日帰りも遅く子どもと予定を合わせることが難しくなったので退職を考えていました。そのとき夫から農業をやることを提案され、個人事業主として農家になりました。


何を栽培されていますか。

 主にきゅうりと桃です。あとニンニクと枝豆の栽培も行っています。夏場は特に忙しく手が回らないことが多いのですが、会社員として働いている夫も手伝ってくれるので助かります。


きゅうりや桃の栽培をはじめたきっかけを教えてください。

 夫が苗木屋で働いてるので、桃の苗木をもらってきたり買ったりして植えたのが始まりです。それを手入れしてうまく育つようになりました。新規就農者なので、本当は新しい土地で桃を育てなくてはいけなかったのですが、桃は実がなるまで3年かかります。その間のつなぎとしてきゅうりを育てるようになり、今は両方の栽培を頑張っています。

 

農業のやりがいや、農業をして良かったと思うことを教えてください。

 今のところすごく儲かっているというわけではありませんが、メンタル面の余裕が出てきました。 会社員のときは仕事の内容や時間を自分で調整することは難しかったので、子どもの運動会や参観日に行けませんでした。農家になって子どもの行事に行けるようになり、時間の配分ができるようになったのが良かったです。食事も家族みんなでとれるようになったので良かったです。こうやって自分の時間を大切にできるのは、やりがいにもつながると思っています。

 それから、農家になってたくさんの方と交流することが増えたと思っています。私はきゅうりを栽培しているので、きゅうりの部会に所属していますが、仲が良くて、みなさん一生懸命教えてくださるので、楽しくきゅうり栽培ができています。他にも、女性農業者をはじめ、親戚の方とも以前より交流が増えた気がします。さらに、前よりも周りから認められている気がして、それもやりがいに感じています。

 

農業をやっていて大変だと思うことを教えてください。

 事業主になったので、農作業だけでなく青色申告や経理、経営のことを考えなくてはいけません。1年目の昨年は何をしたかわからないほど忙しかったです。行ける場所に行って、先生方から話を聞いて、メモを取って、全て根底から勉強しました。

 また、1人で農業をしているので、法人農家さんのように従業員などに頼れないのが大変です。

 

農業でどのようなことを学びましたか。

 桃の品種を選ぶとき、カタログから名前が良いとか、美味しそうとかという理由で選定して栽培を始めたのですが、できればその時期によく出る品種を選んだ方が良いと言われてしまい、勉強になりました。農家になるって一言で言っても、個人販売で行くなら今の状態でいいですが、利益を上げていく場合、値段が高い時期に大量生産、大量受注した方が、今の経営としては合っていたかなと思います。桃の個人販売で行くと、きゅうりに手をかけられなくなるという課題もあります。ネット販売できる環境も整ってないですし、 販路を確定しないまま作ってはいけないという基本のことを学びました。

 

農業でおもしろく感じていることを教えてください。

 きゅうりの栽培でおもしろいなと感じることがあります。きゅうりのおもしろさはリカバリーできることです。桃は枝を切ってしまうと実の状態が変わってしまいます。枝が邪魔して、日が当たらないというだけで色づきが悪くなったりします。桃は木を1回切ると戻らなかったり、リカバリーが難しい作物です。

 その点、きゅうりは、1回つるを切っても、次のつるがどんどん伸びてきます。剪定しすぎかなと思っても、水をたくさんやったり、肥料調整をすることで、次の週には完全復活できます。きゅうりは1週間ごとに容態が変わるので、病気になっても薬を使えば風邪のように治ってくれます。

 桃は薬を使ってもなかなか回復せず、収穫するときに実りが悪くなってしまいます。桃が悪くなってしまったときは、次回に切り替えつつ、きゅうりで頑張って儲けを出していかなければならないので、きゅうり栽培は重要です。

 

今後農業にチャレンジしたい若い人に何かアドバイスをお願いします。

 周りの人とつながり、助けてもらうことが必要だと思います。おそらく若い人は農業経営をしようとしたときに、農業の知識もなく、青色申告のやり方が分からなかったりと、新しく挑戦することがなかなか難しいと思います。なかなか経営指針が定まらず迷ってしまう人もいると思います。それで農業をやめてしまうのはもったいないです。

 だからこそ、周りの人とつながり、助けてもらうことが必要だと思います。私は農業をしてたくさんの人と知り合い、自分の成長で認めてもらえたと思うから、人とのつながりの大切さを強く実感しています。新しく農業を始める人は、仲間を作り、そこから知り合いを通じて紹介してもらい、徐々に自分を知ってもらうことが必要です。ですから、交流の場には積極的に参加した方が良いです。ボランティア活動などに積極的に参加することも、周りの人に自分を認めてもらうきっかけになりそうですね。

 また、農業を習う先生選びも重要です。せめて3年くらいサポートをしてくれる人が必要だと思います。

 私はたくさんの人に頼って生きています。川西町には良い人が多いので、何か心配になったら、役場の人、地域の人、周りの人に相談してみてください。

 それから、3年ないし5年の目標を立てていくといいようです。私は、県の事業のアグリウーマン塾というセミナーに参加しているのですが、目標をボードに書いてそれに向かって経営状態がどのくらいアップして、ゆくゆくはどうなりたいかを考えるやり方を学んでいます。

 

今後の目標を教えてください。

 法人化など、大規模の農家になるつもりはありませんが、ゆくゆくは独立個人農家として1人でサラリーマン年収を稼げるようになることが目標です。私の家では、家族みんなが夏場に忙しくなるため、夏休みでも子供に我慢させてしまうことが多いです。夏はせめて2日間休み、子どもと海に行ったりして、思い出を作ってあげられるようになりたいです。あとは川西町でゆっくり過ごしていければいいなと思います。


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