~ダリヤ園のこれまで~
川西町は、昭和30年に一町五ヵ村が合併して誕生した緑あふれる町です。当時の町議会において、町を代表する観光地づくり、そして町民誰もが親しめる公園づくりが目指され、話し合いが進められました。
その結果、町内の「花の会」でダリア栽培が楽しまれていたこともあり、昭和35年1月にダリヤ園設置促進協議会が発足。置賜公園に隣接する47アールの畑を譲り受け、同年9月21日、「日本唯一のダリヤ園」が開園しました。昭和50年には、町の花を「ダリヤ」に制定しました。なお川西ダリヤ園の名称は、明治~大正時代に使われていた呼び名「ダリヤ」で表現しています。
その後ダリヤ園の面積を100アールまで増やし、平成10年まで開園していましたが、平成11年に場所を移し、面積を拡大した4ヘクタールの敷地に現在のダリヤ園がオープンしました。
新ダリヤ園は、旧ダリヤ園のすぐ近くで、川西町浴浴センター“まどか”(川西温泉)の眼下に広がります。新ダリヤ園には4ヘクタールの公園内に、650品種、10万本のダリアの花が咲き誇ります。
川西町ダリヤ会は、昭和29年8月、町内のダリア愛好者が集まって結成した「花の会」が母体です。後に「ダリヤ会」と改称して以来、ダリア展示会を開催し、現在では“東北ダリヤ名花展”と称し、毎年ダリアの花の美しさを競っています。また、米坂線羽前小松駅などにダリアの花壇を設置し、町内外の方の目を楽しませたり、町内小中学校の花壇にダリアを植え、ダリアの普及活動を展開しています。
県立置賜農業高等学校では平成7年にバイオテクノロジーで培養したダリアのウイルスフリー苗の作出に成功し、ダリヤ園に定植しています。さらに、平成10年には、雪に埋もれた温室内で「超遅咲き」の冬咲きダリアにも成功しており、バイテク技術による「超早咲き」ダリアの成功と合わせ、同校では「年間を通して、ダリアの咲く町にしたい」と夢を広げています。
このように川西町は、町内外より“ダリヤの里”として親しまれています。
ダリアは、日本に1842年(天保13年)頃、オランダより長崎出島を経由して江戸巣鴨に導入されたと言われる花ですが、当時は「天竺牡丹」と呼ばれていました。その後明治時代を迎える頃には呼び名が「ダリヤ」となり、明治30年頃から急に栽培がさかんになり、大正から昭和初期にかけて最高になったと言われています。その頃に「Dahlia」のスペルに順ずる「ダリア」と呼ばれるようになりました。当時は趣味として広く愛好され、切り花や鉢植えとしての栽培は比較的少なかったようです。第2次世界大戦中はダリアにとって暗黒の時代であり、1~2年は花の栽培禁止、防空壕を作るために栽培されなかったようです。
名称 | ダリア(DAHLIA)、別称:天竺牡丹 |
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種類 | キク科の球根多年草 |
原産地 | メキシコ(ダリヤはメキシコの国花となっている)やグァテマラの高原地帯、コロンビアの熱帯高地 |
花言葉 | 感謝、あふれる喜び、華麗、栄華、優美、移り気、不安定、威厳 |
花の大きさ | 超巨大輪 … 天花が平均30cm以上のもの(直径で表す) 巨大輪 … 〃 28cm前後のもの 大輪 … 〃 24cm 〃 中大輪 … 〃 21cm 〃 中輪 … 〃 17cm 〃 中小輪 … 〃 13cm 〃 小輪 … 〃 10cm以下のもの |
花の形 | デコラ咲、カクタス咲、ボール咲、変わり咲など、16種類に分類される。 |
草丈 | 矮性 … 50cm以下 中性 … 51~100cm 高性 … 101~150cm 極高性 … 151cm以上 |
ダリアは、品種の交雑、選抜が繰り返され、数え切れない程の新品種が生まれ、その数は、3万以上、1958年には4万にものぼるとも言われましたが、生まれては消え、生まれては消えという繰り返しで、残念ながら現在において正確な数字は分かっておりません。その中にはもちろん、川西で生まれた品種もあります。以下のものがその一部です。
令和4年度新品種命名
ふくあかり
温愛